確定拠出年金は、毎月拠出金を積み立てていき、運用商品を自分で選択して、その運用結果により将来の年金額が決まる制度です。
 
この制度は公的年金に上乗せして老後資金を準備するための新たな選択肢として、平成13年に導入されました。今回の改正では拠出限度額がアップすることになり、より老後資金準備として利用しやすくなりそうです。
 

 
確定拠出年金はだれでも加入できるものではなく、「企業型確定拠出年金」はこの制度を導入している企業に勤務している場合に加入でき、「個人型確定拠出年金」は自営業者などの国民年金の第1号被保険者と企業型年金や厚生年金基金等がない企業の従業員が加入できます。
 

 
運用商品は、投資信託や預貯金、株式、保険商品等など様々で、企業型なら自分の勤務先が個人型なら自分がどの運営管理機関を選ぶかによって、運用商品の選択肢は異なっています。選択した商品は預け換えなどもできるので、どのタイミングでどの商品を選択するのかは自分次第です。ですから、自分の運用能力を磨くためには経済や投資の勉強も大切になってきます。
 
また、資産残高は加入者ごとに記録管理されているので、転職した場合等には転職先の企業型年金へ、退職して自営業者等になった場合は個人型年金へ資産を持ち運ぶことができるので、離転職しても継続して利用できます。しかし専業主婦になった場合は、以後の拠出ができなくなり、それまでの資産残高の運用指図のみをしていくことになります。
 
受取開始は原則60歳なので、それ以前に引き出すことはできませんが、国民年金や厚生年金が65歳からの受給開始であることから、その間の一定の収入確保になりますね。
 

 
毎月の掛金(拠出額)は加入者の種類により異なっていて、今回の改正による新しい限度額は企業型で厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施していない場合は月額4万6,000円→5万1,000円、実施している場合は月額2万3,000円→2万5,500円、個人型は月額1万8,000円→2万3,000円にアップします。ただし個人型でも自営業者等は月額6万8,000円のままです。
 

 
税制のメリットとしては、企業型は企業が拠出した掛金額は全額損金に算入でき、個人型の拠出金と今回の改正で実施予定の従業員の個人拠出分の掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になります。
 
給付時においても年金として受給する場合は公的年金等控除が受けられ、一時金として受給する場合は退職所得控除が受けられます。さらに、運用時の配当・分配金への課税、譲渡益への課税はないので、より有利に運用できますね。
 

 
確定拠出年金は運用が上手くいけば将来の年金額が増える一方、年金額が予想を下回る可能性もあり、投資リスクは加入者自身が負わなければなりません。既に加入している人では、現在の経済状況で資産残高が目減りしている人もいるかもしれません。
 
しかし、この制度の税制メリットを利用しながら長期的な運用を自らしていく中で経済や投資への興味を持つことができるので、長期的視野に立って老後資金準備のひとつとして制度に加入できる人は利用してみてはいかがでしょうか。